医療設備
ドッグブリーダーにとって経験はとても大切です。学校がほとんどないですし、文献も非常に少ないですから。
しかし独学や経験、直感だけでは分からないことがたくさんあります。
「こんなことが分かればいいのになぁ」と思うことはたくさんあります。
ブリーダーはある程度の医療の知識が必要です。そのためには適切な掃除方法や消毒方法だけでなく、常備薬や医療機器のことを知る必要があります。
簡単なものから、技術が必要なものまでいろいろありますが、一度習得して行い始めると今まで未知だった世界を私たちブリーダーだけが知るだけでなく、皆さんにお伝えすることができるようになります。
モトコランドが犬舎内で行ってきた医療行為を一部ご紹介します。
触診
子犬も成犬も触って、見て確認することがなければ何も発見できません。
例えば、成犬のメス犬の陰部は毎日数名のブリーダーが見て、異常がないか見ています。
そして、発情(ヒート)を発見します。無出血発情でもきちんと交配適期を見定めなければなりません。
検温
頻回に計っているのは出産前の検温です。
犬の正常な体温は38.0℃前後です。出産前には1℃ほど体温が下がります。
聴診
看護師さんやお医者さんが首から提げている聴診器と同じです。
これは主に心音と気管の聴診です。正常な場合はクリアな音ですが、異常があれば雑音が聴こえます。
顕微鏡検査
検便や皮膚診療のために使います。
子犬の検便はとくに重要なので、すべての子犬はお引渡しまでに何度か検便します。皮膚診療ではアカラスや真菌なども見ます。また、スメア検査や精子の状態も顕微鏡で見ます。
エコー(超音波検査)
基本的には病気などを発見するための医療機器ですが、獣医さんでも異常を発見するための技術に大きな差があります。ここでは主に妊娠確認のために使います。
また、お産が最後に近づいたときにもお腹にまだ赤ちゃんが残っているかどうかをエコーで確認することがあります。他には異物誤飲のときにも物によっては見つけることができます。